19

5月

2010

ペプシのコーズ・キャンペーンの実質の価値とは

 ペプシが、23年に渡ってソポンサーを継続してNFLスーパーボールのスポンサーから撤退して、今年1月からスタートさせたのが、「Pepsi Refresh Project」だ。CM放映料が1秒10万ドルと言われる米国の最高視聴率を誇るスポーツ・イベントのスポンサーから、コーズ・キャンペーンへ見事に切り替えたのである。

 

 このリフレッシュ・プロジェクトは、完全一般消費者主導で行われ、「ペプシ=リフレッシュ」をテーマに、「社会をリフレッシュするようなアイデア」 を一般消費者から募集し、投票も一般消費者により行われる。「ヘルス・アー ツ・カルチャー・衣住食・地球環境・地域コミュニティー・教育」の6つのカテゴリーと、それぞれ5千ドル、2万5千ドル、5万ドル、そして25万ドルの枠がもけられており、誰でも参加が可能。既に2月末から寄付先が発表になっており、32件が決定しており、現在も続いている。総額は20億円。

 

 さて、このキャンペーンで気になるのは、その効果である。当然このような巨大コーズ・キャンペーンは初めてであるため、各メディアはこぞって報道しており、宣伝費換算すると、寄付総額及び宣伝費を凌駕するほどの効果はあったはずだ。そしてtrendrrのデータによると、facebook、twitter、ustream等のバズデータも相応には増加している。しかし、コーズ・キャンペーンとは純粋なCSRとは違い、実施要件としてボルビックのような売上が伴わなければ意味がない。つまり、社会貢献とともに、企業も利益を享受しないと、継続性が担保出来ないからである。

 

 現在のところ、売上データは見つからないのだが、twitterの発言を見ていると、どうも収益への還元は限定的と思われる。本プロジェクトは女性をメインターゲットにしているのだが、その女性の発言としては、「ペプシは飲まない。私はクリアウォーターが好きだから」である。

 

 そもそも、カロリーオフのドリンクを持っていたとしても、「ペプシ」と言えば「コーラ」であり、「不健康」のイメージが定着している。前回のフライドチキンの話ではないが、「不健康を買って健康へ寄与する」というイメージを引きずり、購買へ繋がる可能性は高くはない。「ペプシが顧客との関係性を見なおした、画期的なコミュニケションシフトだ」としても、結果がついてこなければ、クリエイティブを活かしたCMの方が効果的とみなされる。

 

 私見だが、コーズ・マーケティングを活用して、商品イメージと収益向上を図るのであれば、テーマを変えるべきである。

 つまり、「ペプシ=一瞬の清涼感」とするならば、「緊張感⇒一瞬のリフレッシュ」というシーンメイキングできる事柄を選択してみると、「地雷除去キャンペーン」、「ドラッグ撲滅キャンペーン」が浮かんでくる。「瞬時にリフレッシュしたい時」にテーマを絞れば、商品イメージと合致し、購入者にとっての「言い訳」としても使える環境が整う。どうだろう?

 

 純粋に「寄付」「CSR」として、社会に利益を還元する場合でも、やはり企業イメージや商品特性を考慮したテーマ作りが絶対的に必要だと思われる。

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