10

9月

2009

高級ブランドが売れなくなった理由

 本日付けの日経新聞でも報じられているが、ティファニーやカルティエ等の高級ブランドが売り上げの減少に悩んでいる。これは昨年からの傾向だが、特にこの半年の低迷が続き、ユーロ立て売上高で10%弱の減少となっており、ユーロ安の現在は国内売上はそれ以上の落ち込みと見られる。そのため、値下げや撤退も始まっている。

 

 この現象をマスコミ的には、経済状況の悪化による「富裕層の買い控え」と表現している。

 

 さて、野村不動産が販売を開始した新宿御苑隣接地の所謂「億ション」が即日完売した。3か月弱の受付期間に約1000人が来場し、最高の競争倍率は5倍。
 この記事だけでは、しっかりと富裕層も購買意欲が盛んになった、とも見える。但し、購入者の9割が都心内での住み替えであったことを考えると、従来の富裕層の購入傾向とはちょっと違ってくる。


 つまり、「投資」目的ではなく、自分の生活の快適性の購入が目的となっている点だ。

 

 高級ブランドと高級マンション。確かに富裕層向けアイテムであることには間違いないが、その志向性は変化している。

 嘗ては不動産は「投資」としての対象。ブランド品は、裕福さを「表現」するための装飾品。つまり、「消費」の継続性維持のためのサイクルであった。

 

 逆に今はどうか。それは「心」の継続性維持のサイクルに変わっている。つまり、「住処」とは「高級さ」ではなく、住みやすさと安らぎ、そして文化を味わえる場所であり、「モノ」とは、ギャル等が持っている中古品やバッタモノのブランド品ではなく、デザイナーや職人のこだわりに共鳴できる作品へとこころは動いているように思われる。

 

 一般消費者の「食」が「外食」から「内食」に変わっていると同様、富裕層も「外見」から「内見」に映っており、内なる美観に価値を見出しているのである。

 

 これからの高級ブランドは、モノの「デザイン・スペック・価格」で売るのではなく、ホスピタリティの向上は当然としても、「高価格の理由」、つまり「作者のこだわりや歴史を理解してもらわねば売りたくない」位の意識で、販売しなければならないだろうし、アウトレットや中古品市場が流行っている今、既存のブランドを捨てて、本来のセレブ向けの隔絶した新たなブランドを新設した方が良いのかも知れない。

 

 

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